鎮魂歌

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高いものは買ってのはいけない。

ここで言う「高い」とは「価格>価値」であることを言う。

これは不動産にかかわらず、私たちが賢く生きていく上では鉄則である。

ただ、「価格>価値」の判断基準というのも人によって異なることは当然であるわけで、わらしべ長者の話では、赤ん坊のお母さんからは虻をつけた藁の代わりにみかんをもらい、そして道端でのどが渇いて苦しんでいた女の人からはみかんの代わりにきれいな布をもらったように、置かれている立場や環境によって、人が価値を見出すものは異なる。

日常の身の回りの不用品であれば、価格設定さえ間違わなければ今やフリマアプリで簡単に欲しい人を見つけられるが、不動産となればそうはいくまい。

まして元々価値<価格であるものを、価値以上の借金をして勝っているため、容易には解決は難しい。わらしべ長者の例にあるように、一般的な価格以上の価値を見出す買い手が見つかればよいが、魑魅魍魎の跋扈する不動産での世界はそう容易ではあるまい。

かくいう私も今話題のシェアハウス物件をとある仲介業者から紹介を受けたことがある。売主S社の売値が1億円である物件を、仲介手数料や登記費用等の諸費用も含めてオーバーローンでの購入を可能にするために、仲介業者(サンタメ業者)が約1.1億円で買い、それを私が1.1億円で買うのだそうだ。融資を依頼する銀行には、私が仲介業者から1.1億円の物件を買うとして審査を依頼するのだという。

物件資料を検証していく中で、建物が異様に高い(価格>価値)と判断して購入は断ったが、当時はここまで大きな社会問題になるとは仲介業者も思わなかっただろう。

また仮に買いたいと判断した場合でも、売主から直で買う方法がないかを模索するべきで、間違っても仲介業者に仲介手数料を払って買うものではない。(当時はS社主催のセミナーが大々的に開催されており、希望すれば売主直で買えたはず)

決して甘い気持ちで、高いのか安いのか判断できない状態で、不動産を購入してはならない。それは今後の自分への戒めでもある。

 

 

 

 

 

 

 

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